応用化学って何?

焼物編

  • Q
    ん?博士何やってるの?
  • A
    これはわしの大事な陶磁器の壺じゃ、どうじゃ美しいじゃろう。
  • Q
     
    う〜ん、わかんないけどこのお花かわいい。
  • A
    これはお目が高い。この花の描写は赤絵と呼ばれていてこの作品はかの有名な人間国宝14代酒井田柿右衛門先生の作品なんじゃ。数年前にお亡くなりになられて、わしゃ〜ショックじゃったわ。
  • Q
    ん?今日は化学の話じゃないの?
  • A
    これは失礼、実はこういった芸術作品の陶磁器や君が毎日使っている瀬戸物のお茶碗やお皿も全部化学反応でできているんじゃよ。
  • Q
    え、お皿が化学反応でできてるなんて信じられない!
  • A
    陶磁器を作るときは砂や土を混ぜてできた粘土をこねて形を作るじゃろ?この粘土の主成分は原子と原子の間に水をたっぷりと含んだ物質なんじゃ。水をたっぷり含んでいるから簡単に形を作ることができるんじゃ。
  • Q
    わたし、家族旅行で九州に行った時にろくろ回しを体験したことあるわ。
  • A
    おお、どこにいったんじゃ?有田か?唐津か?波佐見か?いかんいかん、話が横にそれてしまう。粘土で形を作ったらそのまま焼く場合もあるし、釉薬というガラスの粉末が混ざった液体に漬けた後に焼く場合もあるんじゃ。高い温度、そうだね1200から1300度で焼くと、脱水反応、相転移、結晶化、ガラス化などなどいろんな反応が起きて焼物ができるんじゃ。土や釉薬の成分が溶けてガラス化して全体に行き渡ることで。光沢のある表面ができるんじゃな。
  • Q
    これってガラスの光沢なんだ!
  • A
    そうじゃ。それから君がかわいいって言っていたお花の赤や緑なんかは、顔料という色が付いた無機化合物とガラスを混ぜてできる絵の具を,磁肌に塗ってもう一回焼いてできるんじゃ。その時にガラスが溶けて顔料の粒子が中で細かく分散すれば綺麗な色がつくんじゃな。顔料やガラスは天然物も多いが、化学者が適切な元素を選んで絶妙な配合で作り出すものも沢山あるんじゃ。
  • Q
    へ〜、お皿もお茶碗も意外と手間がかかってるし、化学が詰まってるんだね。